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白浜パンダファミリーの長男「雄浜」(ゆうひん)
 

  ジャイアントパンダ「雄浜」は、2001年12月17日に和歌山県のアドベンチャーワールドで生まれました。成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(以下、成都パンダ基地)から日本へ渡った「永明」(えいめい)と「梅梅」(めいめい)の両親のもと、中国国外でジャイアントパンダの最も優れた繁殖成果を収めているアドベンチャーワールドの「白浜パンダファミリー」の長男として誕生しました。母親の「梅梅」は双子を出産しましたが、残念なことに、そのうちの1頭は死産でした。もう1頭の「雄浜」は、母親の大きな愛情を受けてすくすくと成長しました。通常、ジャイアントパンダは春に発情期を迎え、夏から秋にかけて出産しますが、「梅梅」は冬に「雄浜」を産みました。これは、飼育下のジャイアントパンダが秋に発情を迎え、冬に出産した初の例であり、ジャイアントパンダの繁殖史上における世界記録が打ち立てられたことになります。

 


「こんにちは。雄浜です」

 

 「雄浜」は、やや細く角張った顔つきで、長い鼻、ぴんと立った大きな耳、ほっそりと長い全身をしています。そして、彼の長い四肢も「白浜パンダファミリー」の最大の特徴です。彼は、やや痩せているように見て取れますが、実はその身体つきはとてもがっちりとしており、140㎏に達する体重は飼育下のジャイアントパンダの中では大きい方と言えます。

 

 


「痩せて見えるけれど、筋肉も発達しているよ!」

 

 

 

 


「たくさん食べて、今日も元気いっぱい!」

 

 2004年7月21日、2歳半になった「雄浜」は成都パンダ基地に戻ることになりました。成都パンダ基地設立以来、中国に帰国を果たした初のジャイアントパンダです。「雄浜」の帰国の際、アドベンチャーワールドから空港までの沿道には彼を見送る多くのファンが集まり、メディアもこぞって報道し、日本での人気の高さをうかがい知ることができました。成都に到着した後も、成都市民の温かい歓迎を受けました。検疫を終え、新しい環境に慣れた2か月後、「雄浜」は正式に成都パンダ基地の一員として仲間に加わりました。

 

 


運動場でマーキングをする「雄浜」

 

 2008年、6歳を迎えた「雄浜」は立派な成年パンダへと成長しました。成都パンダ基地のスタッフが「雄浜」の繁殖計画を立てていた、ちょうどその頃です。「雄浜」が突然、病に倒れました。元気で食欲旺盛だった「雄浜」が突然、食物を口にせず、いらいらした様子で落ち着きなく歩き回るようになったのです。ただ事ではないと感じた基地の獣医師と専門家は、エコー検査(超音波検査)、CTスキャン検査、レントゲン検査など、あらゆる手段で「雄浜」の診察を行いました。その結果、「雄浜」は腸閉塞を患っていることが分かりました。その後、専門家の治療と飼育員の手厚いケアを受けた「雄浜」は一命をとりとめ、体調は徐々に回復していきました。その年の4月には「雄浜」と「毛毛」(マオマオ)の自然交配が成功し、同年9月、彼の第一子となる「大毛」が誕生しました。

 


「雄浜」を診察する成都パンダ基地の専門家
(写真提供:成都パンダ基地)

 


「雄浜」と「毛毛」の自然交配
(写真提供:成都パンダ基地)

 

 今年17歳になる「雄浜」は、たくさんの子宝に恵まれました。のんびりと運動場を散歩したり、好きな物を食べたり、木の台の上で一休みしたりと、気ままな毎日を過ごしています。

 


のんびりと散歩に興じる「雄浜」

 

 


呆けている「雄浜」

 


お腹が空いてタケノコを食べる「雄浜」

 


疲れたら一休み

 

 現在、やや高齢になった「雄浜」ですが、相変わらず食欲旺盛でとても健康です。「雄浜」、これからもずっと元気で、長生きしてくださいね。