3月26日午前、「2022年 第1回高山のツツジ会 ― 花々が咲き誇る季節にジャイアンパンダと一緒にツツジを鑑賞しよう」の開幕式が、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(以下、成都パンダ基地)主催、四川省林業科学研究院、中国科学院植物研究所華西亜高山植物園、成都市植物園(成都市公園都市植物科学研究院)、ジャイアントパンダ国立公園都江堰管理保護ターミナルの協賛の下、パンダ谷で開催されました。開幕式には、成都市公園都市建設管理局副局長の謝玉常氏、成都パンダ基地主任の呉永勝氏、四川省林業科学研究院院長の慕長龍氏、中国科学院植物研究所華西亜高山植物園副主任の張超氏、成都市植物園(成都市公園都市植物科学研究院)副主任の李方文氏、ジャイアントパンダ国立公園都江堰管理保護ターミナル高等エンジニアの朱大海氏、成都パンダ基地副主任の侯蓉氏、中国科学院成都生物研究所研究員の印開蒲氏、中国科学院植物研究所華西亜高山植物園研究員の庄平氏、四川省ジャイアントパンダ科学研究院研究員の楊志松氏、都江堰市国有営林場所長の譚紅氏、中国科学院植物研究所華西亜高山植物園副主任の王飛氏、四川省林業科学研究院研究員の馬文宝氏、中国科学院植物研究所華西亜高山植物園高等エンジニアの邵慧敏氏、成都市植物園の鄭雨氏らが出席しました。
盛大な拍手が鳴り響く中、パンダ谷のツツジ会の開幕式が始まり、成都公園都市建設管理局副局長の謝玉常氏、成都パンダ基地主任の呉永勝氏、四川省林業科学研究院院長の慕長龍氏、中国科学院植物研究所華西亜高山植物園副主任の張超氏が順番に挨拶を述べました。
謝玉常氏
副局長の謝玉常氏は、初めに来賓への心からの歓迎の意を表した後、こう続けました。「パンダ谷は、その独自の生態環境の利点を最大限に活かし、ツツジの栽培を進めながら、ジャイアントパンダの自然生態環境の再現に積極的に努めてきました。その結果、国宝であるジャイアントパンダとツツジを同時に鑑賞できる自然観光地を造り上げることに成功しました。これは、世界的大都市の中でもごく稀と言えるでしょう。パンダ谷のツツジ会は、成都市が誇るユニークで魅力溢れるエコツーリズムの代表となり、パンダ谷は“一度訪れたら離れがたい、必ずまた訪れたい”と誰もが思う観光地になるはずです」
呉永勝氏
成都パンダ基地は、成都市の公園都市としての新たな発展概念を実践するため、科学研究を応用したジャイアントパンダの保護活動に注力すると同時に、ジャイアントパンダの生息地の生態環境保護と修復にも積極的に取り組んでいます。2016年以来、成都パンダ基地は、30種類以上のツツジをパンダ谷で栽培してきました。そして現在、辺り一面にツツジが広がるパンダ谷は、ジャイアントパンダとツツジを同時に楽しめる観光地になっています。呉永勝氏は挨拶の中で「習総書記はかつて“人が青山に背かなければ、青山もまた人に背くことはない”と述べました。この言葉には、私たち人類と大自然との共存の道が的確に表れています。今後、成都パンダ基地が生態文明思想の実践や文化強国戦略に貢献することで、生態環境の保護、エコツーリズムの実施、文化的価値の好循環が実現し、この一面に広がるツツジと同じようにジャイアントパンダの保護事業にも素晴らしい未来が待っていると信じています」と述べました。
慕長龍氏
高山のツツジの生息区域は野生のジャイアントパンダの活動範囲とほぼ重複しており、四川省は野生のジャイアントパンダの生息数が最多である場所であると同時に、ツツジの分布と分化の中心地の1つでもあります。慕長龍院長は「ジャイアントパンダの生息地の重要な種であるツツジは、生態系の維持に重要な役割を果たすだけではなく、庭園の植物資源、漢方薬の材料、工業原料としても極めて大きな利用価値を有しています」と話し、「当イベントをきっかけに、来賓の方々とより深い交流関係を築き、ツツジの保護と活用に向けて共に邁進し、ツツジ産業の集約化、高効率化、高付加価値化への転換を共に推し進め、農村の発展と美しい四川省の構築に向けて貢献していきたいと考えています」と述べました。長年に渡り、パンダ谷は華西亜高山植物園と協力しながら低海抜地区におけるツツジの栽培導入の生理的メカニズムについて調査を続け、昨今では大筋の成果が得られています。張超副主任は「今後も各方面と連携しながら、ツツジの品種の選別や栽培技術などの分野でより優れた技術基準を獲得したいと考えています。ツツジを成都市に広め、成都市を通じて世界にツツジの美しさをアピールしていきたいです」と自信を強めていました。
張超氏
その後、児童ボランティアがツツジへの賛辞とジャイアントパンダへの想いが込められた詩を朗読しました。子供たちは、 子供らしい観点でとらえた“赤い服を身にまとったような”ツツジの美しさを可愛らしい声で表現していました。午後には、ツツジが持つ様々な魅力を理解してもらおうと、研究員を招待してパンダ谷の科学教育村で学習講座が行われました。今後も、ジャイアントパンダとツツジがメインテーマの研究学習イベントを順次開催予定です。その他にも、パンダ谷でよりたくさんの楽しい思い出を作ってもらおうと、エリア内ではツツジをイメージしたツツジコーヒーが発売されました。
樹木は大自然を形成する重要な要素です。大自然に感謝し、自然環境を保護することは、私たちの本心であると言えるでしょう。開幕式の来賓一人ひとりが土を掘り起こし、樹木を植え、土をかぶせ、水やりをして最後にプレートを掛けました。花々が咲き誇る季節に人々の手によって植えられたパンダ谷の“希望の樹”には、大自然と私たち人類の共存の理念が永遠に受け継がれるようにとの願いが込められています。こうして、大きな祝福が贈られる中、開幕式は幕を閉じました。