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成都パンダ基地でジャイアントパンダのアート展を開催 ― 郎朗、李子柒、殷九龍らが全力でサポート
 

 2021年5月18日は「第45回国際博物館の日」に当たり、今年のテーマは「博物館の未来 ― 復興と再生」でした。成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(以下、成都パンダ基地)の「パンダ国際芸術センター」は約8か月の閉館期間を経て、5月18日に再び開館の日を迎えました。そのオープニングイベント「輝く動物たち ― 2021年国際青年アーティストによるジャイアントパンダ作品展」が開催され、中国とスイスの3名の青年アーティストによる油絵や版画、そして珍しいモノクロの炙り絵など3種類のアート作品が展示されています。この展覧会は、今後3か月に渡り開催されます。

 展覧会のテーマである「輝く動物たち」は、“賦聖”と称された司馬相如による『封禅書』から名付けられました。司馬相如は作品の中で“仁獣のごとき騶虞”について以下のように描写しています。「美しい模様をした仁獣は、皇帝の庭を好んでいる。白い毛に黒い模様をまとったその姿はとても可愛らしく、紳士のように従順でおとなしい。かつては鳴き声しか聞いたことが無かったその姿を今は拝むことができている。どこから来たのかは不明だが、とても縁起が良い」。“騶虞”とは、ジャイアントパンダの古代の呼び名の1つで、人々は友好と平和の願いを込め “瑞獣”“奇獣”“仁獣”“義獣”とも呼んでいました。現在、“国宝”であるジャイアントパンダは「平和の使者」として、そのユニークな魅力で中国と世界を繋ぐ友好の架け橋となっています。

 この展覧会は、地域や異文化の壁をも越えるパンダ文化が持つ超越性をアピールするため開催されました。また、異なる文化的背景を持つ青年アーティストの作品に込められた若々しい感性やバラエティに富んだ最先端の芸術様式を研究する場を設け、異文化交流を行う世界中の若者たちがお互いに共鳴し合える機会を提供したいと考えています。

 展覧会では、中国とスイスの3名の青年アーティストの作品が「祥瑞ホール」、「華彩ホール」、「モノクロホール」の3つの展示ホールに、マルチメディア展示エリアでは「古代書籍の中のジャイアントパンダ」がそれぞれ展示されています。

 祥瑞ホール ― 色彩から、スイス人アーティストのパンダの美学を感じる

 祥瑞ホールでは、スイス人アーティストのアントニオ・ウィリー(Antonio Wehrli)による5作品が展示されています。アントニオ氏は「構造主義」を重んじるアーティストで、その作品には油絵の質感が強く表れています。厚く塗られた絵具が特徴的な彼の作品は、完成までにかなりの時間を費やします。例えば、ジャイアントパンダの頭部の輪郭が完成した後、絵具が十分に乾燥するのを待ってから眼の創作に取り掛からなければならないため、1つの作品を仕上げるのに数か月の時間を要するのです。アントニオ氏は、多くの時間と絵具を費やして生みだされる厚みがあってこそ、人々に衝動や情熱を与えることができると考えています。

 華彩ホール ― 子供の視点でジャイアントパンダを見据える

 華彩ホールには、許燎源博物館の常駐アーティスト兼デザイナーの木頭氏による“乎乎”シリーズ作品、計19点が展示されています。ジャイアントパンダの幼少期を描いたこのシリーズ作品は、彼らの「可愛らしさ」を表現しています。木頭氏は、「可愛らしさ」とは自然界の万物の最初の状態で、純真無垢な心の現れでもあり、その姿には世界を癒す力が込められていると話しています。除去技法という立体感や絵画感を抑えた作画方法によって描かれた作品は、シンプルかつ軽やかな印象を与え、ジャイアントパンダの可愛らしい瞬間が見事に表されています。

 モノクロホール ― 世にも珍しい炙り絵作品

 当展示ホールでは、呂亜東氏の炙り絵シリーズ『望郷』の4作品が展示されています。炙り絵とは非常に特殊な絵画方法で、特製の作図層を火で炙り、もう一層の絵を浮き上がらせます。そして、特別な作画ツールを使用し、炙り出された煤の形状に沿って人物や静物、生物などを描き出すのです。作画層に残された煤は非常に脆いため、少し触れただけで跡が残ったり変形してしまいます。そのため、創作者は絵画の枠線や細部に至るまで正確に把握しておく必要があります。炙り絵の展示に合わせ、展示ホールには、司馬相如の『封禅書』からインスピレーションを得たアート作品も置かれています。

 マルチメディア展示エリア ― 古代書籍の中のジャイアントパンダ

 かつて、蚩尤と共にジャイアントパンダも戦場に赴いたという話は本当なのでしょうか? 実際のところ、『詩経』や『爾雅』、『山海経』には、蚩尤がジャイアントパンダに跨り戦ったという記述は残されていません。では、私たちの祖先にとってジャイアントパンダはどのような存在だったのでしょうか? 古代中国の書籍には、ジャイアントパンダに関する多くの記述があり、各時代において解釈が異なります。展覧エリアの通路にはマルチメディア展示が施され、多くの古代書籍から抜粋したジャイアントパンダに関する記録が紹介されています。例えば、西晋時代の戦場では、一方の軍隊がジャイアントパンダの絵の旗を掲げると、それは休戦を意味しました。白居易の『貘屏賛』では、ジャイアントパンダは疫病を追い払うことができる神獣として描写されています。その他の古代書籍の中のジャイアントパンダにはどのような物語が込められ、彼らはどんな役割を担っていたのでしょうか?是非、芸術センターで書籍に残されたジャイアントパンダの神秘的な足跡を探索してみてください。

 郎朗、李子柒、殷九龍らが全力でサポート

 アート展「輝く動物たち」は、成都パンダ基地と中国工商銀行草市支店共催、香港VAギャラリー協賛、パンダ国際芸術センターの企画で開催されています。展覧会の準備期間には、国際的ピアニストの郎朗氏、著名ブロガーの“パンダお姉さん”こと李子柒氏、著名デザイナーの殷九龍氏、三星堆博物館副館長の朱亜蓉氏、青年アーティストの龔冰清氏、四川博物院文化財修復師の曹元元氏、中国のインフルエンサーの小夢氏がそれぞれショートビデオを撮影し、当展覧会のプロモーションにお力添えを頂きました。